レンタサイクルで幻の鉄道❝大仏鉄道❞の遺構めぐり☆ [奈良・旅行]
※2017年8月25日の記事
皆さま「大仏鉄道」というのをご存知ですか?
その昔は明治31年(1898年)に開通した東方からの集客の為、
”加茂駅”から東大寺大仏殿の近くの”大仏駅”を通り、
現在のJR奈良駅までの区間わずか9.9kmの路線があったんです。
当時の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」の運営で大いに賑わいましたが、
急坂を機関車で越えるという”難所”を抱えていた大仏鉄道は、
(登りきらないときは乗客が押したとも)
明治40年に現在の関西本線”木津駅”を回る平坦ルートが開通すると、
わずか9年で「大仏鉄道」はその姿を消しました。
しかし100年以上も前のその線路跡には、
川の水や人を通すための隧道や橋台が今でも残り、
その遺構を巡るハイキングコースがマップにもなってます
”JR加茂駅”から写真左下の”JR奈良駅”まで、
歩くのは自信がないのでJR奈良駅前でレンタサイクルを利用して、
その遺構をめぐりたいと思います。
マップの番号が加茂駅からなのでまずはそちらへ向かい、
では暑いなか気合を入れてスタート!
まずはこちらの「JR加茂駅」から
大和路線が大阪環状線から大阪駅に乗り入れしているので、
加茂行きの電車を目にしたかたも多いとは思いますが、
実際に駅を訪れたかたはほとんどいないのでは?
ここから三重・亀山を経由して名古屋方面へと繋がりますが、
現在このルートで奈良を訪れる人はほとんどいないと思います。
しかし「大仏鉄道」が走っていた頃はもちろん新幹線も飛行機もなく、
東方からの乗客でこの加茂駅も賑いを見せていたことでしょう
そのすぐ横線路脇にあるのが「ランプ小屋」です
加茂駅の開業時(明治30年)に建てられたもので、
頑丈そうな赤レンガ造りは歴史をとても感じる建物。
今は何も使われてなく案内板もありませんが、
ひっそりとしたたたずまいが大仏鉄道の歴史を物語るようです。
そした線路を反対側に渡ってすぐ、
加茂小学校の横に展示されているのが「C57SL」です
大きな車輪でスタイリッシュな機関車は”貴婦人”の名で親しまれ、
写真左横の関西本線で走っていたことも。
しかしこちらは昭和12年製なので、
明治40年に終焉を迎えた「大仏鉄道」の路線を走ることはなし
ではいよいよ本格的な「大仏鉄道遺構めぐり」へと向かいますが、
要所にこちらの案内板が出現しますので迷うことはありません
すると案内板はこの小さな川沿いを進むようにと指示!
こんな所を進むのね・・・
その向こうは森になっていて迷子にならないか少々不安がよぎり、
虫除けスプレーを持参していないことを後悔しますが、
あとの祭りなので覚悟を決めて行くしかありません
現れたのが「観音寺橋台」です
大仏鉄道遺構は手前の石積みの橋台で、
(※橋の上部構造の両端を支える基礎)
その奥は現在走行している関西本線の橋台。
どちらもほぼ同時に造られたものですが、
100年以上もまだ現役で使用されている関西本線と、
わずか9年で役目を失った大仏鉄道の対比が郷愁を誘うスポットです
花崗岩の切り石積みによる橋台ですが大仏鉄道のほうは、
”ラピュタ”のように苔が生い茂り100年の歴史を感じます。
アップダウンも結構あり徒歩だと所要時間約3時間の工程。
竹林は荒れ放題に倒れて道に散乱しているのもしばしば・・・
虫もブンブンとたくさん飛び交い、
思いっきり自然を肌で感じられますよ
そして「鹿背山橋台」が突如出現
森の中にポツンとたたずむ橋台は石積みの強固な構えがとても印象的で、
遺構の中でも人気スポットだそうです。
廃城のような雰囲気でなんか分かるような気がします~
田んぼのあぜ道ですがれっきとした「大仏鉄道遺構めぐり」のコースです。
しかしコースを外れると私有地なのでご注意下さいという看板も。
進んでいくと今回初めての隧道「梶ヶ谷隧道」が出現
(※川の水や人を通すためのトンネル)
ぽっかりと穴の開いたトンネルは今も利用されており、
ハイキングコースもこの中を通っていかなければなりません。
その大きさは人が歩けるぐらいの高さで、
アーチ部分はレンガ造りの下部は石積み。
中はとても頑丈そうで全然壊れる様子もなく、
明治の遺産はおそらくあと何百年このまま残り続けることでしょう
そのすぐ近くにあるのがレンガ造りの橋台「赤橋」です
赤レンガ造りが多い遺構の中でここだけ”赤橋”と呼ばれるのは、
美しいそのプロポーションゆえでしょうか?
こちらの橋台は今も現役で活躍しており生活道路として使用されてます。
道路が掛かっているので”機関車”が今にも通り過ぎていきそうな雰囲気
しばらくして姿を現すのが「松谷川隧道」です
こちらは中に入ることは出来ませんが、
色の違うレンガが交互に配置された大きな隧道。
1世紀も前のモノだとは思えないほど、
今まで見てきた中では一番キレイな外観をしてます
ここから京都府に別れをつげ奈良市へと突入
現れたのが大仏鉄道最大の難所のいわれた、
「黒髪山トンネル」の跡です
道路拡張に伴い取り壊され現在の姿となりましたが、
昭和41年頃まで残っていた大仏鉄道唯一のトンネルがあった場所。
長さ約86mの黒髪トンネルは路線で最も標高の高い急坂で、
その勾配から機関車が登らず乗客が押したこともあるとか?
写真に写っている道路上「黒髪橋」からは大仏殿も見えるそうですよ
そして今はその面影もありませんが”大仏駅”があった場所のすぐ近くに、
「大佛鐡道記念公園」があります
とっても小さな公園ですが車輪も飾られ、
わずか9年ですが”大仏鉄道”が存在していたことを後世に伝えます。
ちょっと大仏殿までは距離がありますが、
当時は拝観の人たちで賑わっていたことでしょう
今は風情ある橋が掛かっている「佐保川橋脚跡」を渡り、
その先の船橋通り商店街を通り抜ければ・・・
「JR奈良駅」に到着です
現在は観光案内所になっているこちらの旧奈良駅舎は2代目で、
昭和9年から平成15年まで利用されていました。
大仏鉄道が走っていた時の初代奈良駅は和風木造平屋建てだったそうです
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「大仏鉄道遺構めぐり」の加茂駅から奈良駅まで辿ってみました。
ハイキングコースとして観光マップも作成している割には、
途中で追い抜かしたりすれ違う人は誰もいませんでした。
(もちろん夏の暑い時期だからというのもありますが)
これだけのスゴイ鉄道遺構が埋もれてしまうのはあまりにも勿体無い・・・
思い切ってハイキングコースに線路を再建し、
愛媛の”坊ちゃん列車”のような機関車型路面電車を走らせてみてはいかがでしょう?
新しい奈良の観光スポットとして人気が出るのは間違いなしです(^^)/
※夏はオススメしません
<おまけ>
大佛鐡道記念公園の近くにある”畠山製菓”が、
1枚1枚店頭で手焼きする「大仏鉄道せんべい」です。
車両の形に可愛らしいイラスト入りで、
その味もまさに大仏級!(←美味しいってこと)
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