當麻寺・中之坊にて初めての写仏体験☆ [奈良・旅行]
※2017年7月5日の記事
當麻寺別当(住職)の住房として受け継がれてきた「中之坊」へ、
人生初の”写仏”を体験しに行って来ました
”写仏”とは仏さまの姿を写すことによって、
一体感や三昧の境地を少しでも感じとれるというもの。
それではチョット緊張ぎみですが中之坊の門をくぐります
※今回は中之坊・本堂や庭園などは出てきませんのであしからず。
興味のある方は前回記事から⇒大和十三佛霊場第六番~當麻寺・中之坊~
まずは受付から。
写仏は「写佛道場」(登録文化財)と呼ばれる所で行われるようで、
道場入門といったところでしょうか?
初めての私は筆・タオル・稽古用紙・写仏説明書が同封されている、
「写仏セット」(1500円)と「拝観料」(500円)を御供え。
※ちなみに2回目以降は拝観料のみで用紙(半身3枚1500円)は別途
旧国宝の書院(重文)での「お抹茶」もあがれますが今回は遠慮しました。
では写仏用紙(半身)を7体の仏さまから1枚選択
<勢至菩薩・阿弥陀如来・観音菩薩・導き観音・中将姫・弥勒如来・弘法大師 空海>
※全てお手本の上から筆でなぞる方式
どれにしようか悩みます~
しばらく悩んだ末日々の平穏・無事・安全・心身の健康を祈念して、
「観音菩薩」を今回は写仏したいと思います
そしてこちらが「写仏・写経道場」です。
広々とした道場は訪れたのは土曜日の昼過ぎでしたが、
ラッキーなことに道場生は私のみ。
これならゆっくりと集中して臨めます
そして格天井には近現代の作家による「天井画」が埋め込み
その数は150枚にも及び、
この絵天井の下で写仏が行えるなんて贅沢過ぎ!
ちなみに前回の通常拝観だと縁から覗ける一部だけでした。
では案内の方から写仏手順の説明。
まずは手と口を清め正面の「當麻曼荼羅」に手を合わせ、
(※當麻曼荼羅は撮影禁止)
そして稽古用紙で筆運びを練習してから仏さまの絵に向かいもう一度合掌。
必ず最後に白毫(額の丸い部分)を残すようにとのことで、
出来上がった仏さまは「當麻曼荼羅」の前に奉納するも持ち帰ることもよし。
修行の一環として仏との出会いを願い用紙にお向かい下さいと、
墨を用意していただき道場を退出されます。
これで本当に道場には1人っきりです。
「當麻曼荼羅」と一対一で向かい合い少々緊張しますが、
まずは仰せの通り手と口を清め稽古用紙からスタート。
クーラーはありませんが気持ちのいい風が通りそれほど暑くありません。
鉛筆握りで筆をほぼ垂直に立てながら緩やかに線を引きますが、
力の入れ具合がとても難しく線の太さが一定になりません
筆先を尖らせるのが重要なので絶えず筆先を墨皿で整え、
焦らずゆっくり丁寧に筆を動かします。
曲線(特に眉毛や目や口)の筆の使い方が難しい
線は正直で気持ちが乗ってスピードを上げるときれいな線が描けません。
上手く行っている時ほど慎重に!とはまさに人生修行。
ではいよいよ「観音菩薩」さまと向き合い合掌
あらためて心を落ち着かせ筆先を整えると、
手でこすって汚さないように上から順に描いていきます。
細かい描写にふと雑になりそうな気持ちを抑えながら、
ゆっくり丁寧にと自分に言い聞かせ急ぎそうになるのを我慢。
途中で写経される方が4人ほど入って来られ、
ちょっと話し声に気を取られそうになりながらも、
集中!集中!と心で呟きひたすら描き続け最後に白毫を入れれば写仏完了
描き始めて1時間後~
「観音菩薩」さまの完成
表情が一番出るであろう目を描く時が難しく、
ちょっとキツめの印象の「観音菩薩」さまになってしまいました
これは今の自分の心境を表しているのかも・・・
自分では温厚な性格?だと思っていましたが、
まだまだ修行が足らないようです。
それでは描いた「観音菩薩」さまの下の空白部分に、
ご法楽”南無観世音菩薩”と願意”身体健全”と住所と名前を書き、
「當麻曼荼羅」の前に奉納して道場を退出します。
初めての「写仏体験」ではまだまだ功徳を得ることはできませんが、
帰るころには来たときよりもなんだか清々しい気分に
中将姫は千巻の写経を成し遂げられたように、
同じ像を何度も写すことに意義があると言えるでしょう。
新鮮な体験をした記憶にない日となりました(^_^)/
<當麻寺中之坊 写仏体験>
受付 9:00~17:00(受付は15:00まで)
参加費 中之坊入山拝観料(大人500円/小人250円)+用具・用紙代1500円
(写仏筆、写仏用紙(半身)1点、基本稽古用紙1点、タオルが付属)
注意 ご愛用の筆は持ち込み可能です。
ただし市販の写仏・写経用紙の持ち込みはできません。
詳しくは中之坊ホームページからどうぞ
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